寺西重郎『日本型資本主義』(中公新書)書評
戦後日本の社会科学方法論は、煎じ詰めればマルクス・ウエーバー問題であったと言って良い。私自身は、マルクス主義やマルクス主義的な批判理論におけるエートス問題の把握の仕方に満足できず、その後、ルーマンのシステム理論とスピノザのエチカ論によって、ようやくある程度の方向性は見えてき...
土俵際の法理としての「自由意思の法理」
現代における強行法の実効性は、国家権力(統合力)によって担保されている。従って強行法規の果たす役割は、各国における国家権力(広義、すなわちグラムシが言うところの歴史的文化的ブロックによるヘゲモニー装置としてのそれ)のあり様に応じて、かなり大きな性質の違いをもたらす。英米法系...
”Follow the science”と法
今回のコロナ”パンデミック”については、日本国憲法13条(個人の尊厳)をコアとする、いわゆる社会権的基本権と自由権的基本権の20世紀的なダイコノミー(叉状関係)が21世紀におけるその進化を遂げるにあたって直面する新たな問題状況の典型事案かもしれない、との仮説のもとに、法の科...